音楽レビュー

そんなに更新しない

ヤなことそっとミュート/NINE を推し目線で書く

ヤなことそっとミュート(以下ヤナミュー )って?という問いも今更無いと思うので割愛します、もし知らない人居たらググって下さい。

 

メジャーデビュー1日前、という事であらためて9ヶ月連続リリースシングルシリーズであるヤなことそっとミュート"NINE"について書きたいと思いますがかなりバラエティに富んだシングル群で内容がブレそうなのでここはヤなことそっとミュートにおける"推し"コンポーザー兼ギタリストであるJ. og氏作曲のもののみ個別に焦点当てて書いていく事にします。

所謂ヤナミューちゃん達についてはほぼ控えめなのでメンバー以外興味ない方は多分面白くないかと思う内容です、申し訳ない。

 

その前に「J. ogって誰?」って人はこちらをどうぞ↓

(http://ass-atte.hatenablog.com/entry/2019/01/09/235205)

 

 

・NINE#2/ポケットにレベリー

いきなり初期のオマー・ロドリゲス・ロペス(The Mars Volta)みたいなリングモジュレーターバリバリかませたギターノイズから跳躍アルペジオやタッピングフレーズを基盤とするマスロック、ポストハードコア風の爆速チューンです。

ドラムもヤナミュー史上初のブラストビートが顔を出したりしてますが感触としてはメタルというよりもthe cabs「キェルツェの螺旋」あたりのマス要素入りのJ-ROCKに近い感じでそっちのファンの方が楽しんで聴けるのではないでしょうか、と思いました。

Jさんらしい1曲かと思います。

 

・NINE#3/レイライン

本人もツイッターで似たようなことを名言してますがJ. ogというコンポーザーの中でも記念碑となるような挑戦的な1曲です。

ピアノメインのバッキングにテンションコード、手数多い単音リフ多用のオシャレなギター、4つ打ちダンサブルなドラム、明確で爽快感あるサビ…凛として時雨School Food Punishmentか…?某曲にサビがそっくり…?あれ…?いつものJさんじゃない…?と正直この手の路線全く求めてなくて最初は戸惑いを隠せなかったのですがライブで聴くたびだんだん良い曲だなあと思うようになり今では思い入れ深い好きな曲です。

何よりも"J. ogという人が誰にでも受け入れられるキャッチーなメロディやソングライティングにも長けた作曲家"という僕の思っていた事がこのある種ストレートな曲で証明されたのが良いと思ってます。

 

NINE#6/ライカライロ

エレクトロニカ風の打ち込みから始まっていきなりオシャレになる曲

リズムの強拍の位置が奇妙に配置されたAメロからBメロ来てサビでいきなりスウィングし始めるのが妙にクセになりますね、コード進行に全体的にちょくちょくⅡ-Ⅴが入ってるのもジャズっぽい感じを意識したのかなという印象。

何よりもサラッと入ってくるギターソロですがJさんがほぼペンタトニック一発ベースにさりげなくいつもの♯5や♭3が入ってくるのが個人的にはグッときます。

 

NINE#7/Gifted

"ルーブルの空"以来のストレートなロックチューン、僕がNINEシリーズで1番好きな曲です。

爽やかイージーコアにJawboxみたいなDCハードコアの不協和音のエッセンスが入った温故知新といった感じの曲ですが中間イージーコア由来のブレイクダウン(ヤナミュー初!)が聴けるのも面白いです。

こういうブレイクダウンみたいなともすればメタル的な表現はある種Jさんが今まで意図的にかルーツが無かったからかやって来なかった表現でこの辺りは同じヤナミューのコンポーザーで共作の経験もある畠山凌雅(Ex.Say Hello To Sunshine)氏にも近しくなってるような部分が垣間見えるのでコンポーザーとしての幅の広がりをこういう路線からも感じ取れるのは非常に僕的に楽しいです。

 

NINE#9/記憶とハーモニー

前作"ユモレスキ"の"Westminster Chime"にも似た多重コーラスと繰り返されるモチーフの祝祭的な、ラストだけどオーバーチュアっぽいイメージのあるバラード、NINEの締めって感じです。

今聴くとSufjan StevensとかBon IverみたいなSSWっぽさもありでこういう内省的なのもJさんの得意とする曲の一つではありますね、前作から考えたら1番従来のJさんらしい曲かも。

 

 

 

NINEシリーズというのはメジャー前夜のシングル群でシリーズ展開の合間にグループ、メンバー的にも色々あったりであらゆる意味での"変化"を象徴するものだと思うのですが、その変化というものはバックを支えるコンポーザーも同様でして

特に"らしい"慣用句みたいなフレージングの色合いが強い(と個人的に思ってる)J. og氏にとっても色合いの強さから更に色彩を多彩に増やした"変化"を象徴する作品群ではないのかなと個人的に強く思います。

 

グループがメジャーレーベルに所属してこれからどのような展開になるかは全く想像が付いてませんが少なくとも進化や拡張を止めない楽曲制作チームがいる限りはその点においては安心していいのかなーと思っております。

 

 

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