音楽レビュー

そんなに更新しない

ヤなことそっとミュート/MIRRORS

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1.ルーブルの空

2.クローサー

3.GHOST WORLD

4.HOLY GRAiL

5.No Regret

6.Reflection

7.Any

8.天気雨と世界のパラード

9.AWAKE

10.Palette

11.Phantom calling

 

 

本日5/4からiTunes等で音源配信を始めました"ヤナミュー"ことヤなことそっとミュートの2ndアルバムです(これ読んでる人は全員知ってるとは思いますが…)

せっかくだからツイッターでは書けない長文で曲ごとの感想と総評書いてみようかと思います。(5、7、8、9のSTAMP EP収録曲は以前書いたので割愛します)

前もそうですがメンバーの話より既存バンドの比較とかギターの話とかが多いので苦手でなければお暇潰しにお付き合い頂けたら幸いです。

 

 

1.ルーブルの空

Twitterでもよく見かけるのですがcowpersとかNAHTみたいな90's~00's邦emoを彷彿とさせるギターが7thもりもりなストレートなロック曲なのですが変拍子混じりだったりフレーズが要所でテクニカルなのが今風で良いです。

https://youtu.be/nWzeBqRW5tE

 

2.クローサー

2ndワンマン前に音源が先行配信されオタクを狂気させいつの間にか代表曲になった感すらあるメロディックハードコア(非メロコア)な疾走曲の再録、メンバー4人のVoが元の急遽録って出し的な荒さのあった音源に比べて安定してるのと音圧が増してるの、あとサビ右チャンネルのリードギターモジュレーターか薄くかけたフランジャーかなんか空間系のエフェクトプラスされてたり違いを比較するのが楽しいですね。

あと個人的にサビのリードのシーケンスフレーズは僕の大好きなTakenという叙情HCバンドの曲を思い出す感じでついガッツポーズしてしまいます。

https://youtu.be/WqWL1eaYEKI

 

3.GHOST WORLD

m7thトライアドの長2度平行移動を繰り返す16分カッティングリフなど完全にCoaltar Of The Deepersのそれを繰り返すヴァースからヤナミューでは珍しいAnyに続くメジャーキーの超爽やかなメロディのサビ(これが本当に無限に聴けるくらい好きなメロディでして)が印象的、アルバムでも屈指の好きな曲です、これでPV作って欲しい。

 

4.HOLY GRAiL

PVにもなりました代表曲、冬時期にピッタリなポップな曲です、アルペジオが印象的。

 

6.Reflection

なんとなく初期Paramoreとか00's中期、後期エモっぽいなあと思ったストレートなロック曲、サビの開放弦多用したコードが音源でよく聴き取れるようになってとても良いです。

https://youtu.be/aCyGvGEtOwc

 

10.Palette

いきなりAmerican Footballとかみたいなタッピングリフが入るのが印象的な緩やかなバラード、歌メロが非常に良いです、ぱっと聴いた感じ音はMIDWESTエモとかマスロックのそれなのに対しての途中の"ネイビーブルー"と繰り返されるコーラス部が昔のポップスみたいだったり作曲のJ.og氏の懐の広さだったりセンスの凄さを要所で実感します。

 

11.Phantom calling

2ndワンマンでラストに初公開されたJ.og氏とマスロックバンドNENGUの馬場庫タロウ氏の共作曲、暫定今年1番好きな曲です。

変拍子ポリリズム転調多用、m7thトライアド、単2度アルペジオ、単音フレーズのピロピロの際どいギターフレーズなど作曲者の趣味が全面に出てながらもまるでミュージカルの挿入曲みたいな壮大でキャッチーなメロディの誰でも聴ける感じでなおかつ4分弱のコンパクトな尺にまとめて仕上げてしまう天才2人の所業がこの曲には詰まってます。

クランチ気味なギターも含めて既存バンドならFaraquetが近いのではないでしょうか、作曲自体は全然違うのですが。(ちなみにFaraquetはいつぞやのDJ運営で慎さんが選曲してました)

https://youtu.be/H6RzgNh6yRA

 

 

・総評

Say Hello To SunshineやBackdate Novemberのカバー曲もあったりミドルテンポの曲も多く入っていてインディっぽさが色濃かった1stAL「BUBBLE」に比べて、今作に至るまで曲展開もストレートでアップテンポかつ曲そのものに邦楽オルタナティブロックをなぞったような空間を埋めるフレージングの多い曲(1、3など)、メンバーの歌唱力の向上に反応するかのように高めのキーの曲が続けて公開されてきたこと、各パートの音の分離がくっきり音圧自体も上がっていることなどから前にも書いたのですがより多くの人に聴かれることを意識している感じがだんだんと出てきたのが反映されたアルバムになっているように感じます。

 

あとは相変わらずどんなに楽器のフレーズをオルタナティブロックやエモ、もっと言えばマスロックなどのそれにしても歌メロやコーラスワークをポップにジャンル慣れしてない人にも聴きやすいように仕上げてくるのは"バンド"でもなく"アイドルグループ"ならでは成せることだよなあと言うくらいには歌メロの水準が高く非常にキャッチーので流石だなあと思います。

 

欲を言うなら1stで言うところツキノメだったりNo Knownみたいなミドルテンポの曲がもうちょい挟まってたらなあというくらいですかね、逆に言えば次の新曲に期待してます。

 

何にせよ今年のベストアルバムの1枚は確定です。

まだ聴いてない方は是非…